INTERVIEW
社会医療法人友愛会 友愛医療センター
200〜399床
物品購入
民間
2025/03/21 01:25

社会医療法人友愛会 法人事務局 企画部 次長・企画広報課課長 和田 将央 様にクラウドファンディング実施の経緯とその後の反響を伺いました。
(同法人 友愛医療センター 救急科部長 山内素直先生へのインタビューはこちら)
社会医療法人友愛会 友愛医療センター
沖縄県・病床数 388床・職員数1,359名
クラウドファンディングプロジェクト
沖縄の救急、地域医療のために。救急車型ドクターカー導入に支援を!
資金の使い道:救急車型ドクターカー導入費用
目次
ー友愛医療センター様のプロジェクト成功を支えた陰の立役者である、広報チームの和田様。まずは和田様のご経歴を教えてください。
大学を卒業後、大手広告グループに入職し、その後も広告領域でキャリアを重ねてきました。お客様のビジネスの成功を目的として、CM制作やイベントプロデュース、マーケティング戦略まで幅広く経験しました。
そんな中で、友愛医療センターが新病院移転を機に広報活動を強化するのを機に、2020年3月に入職。ちょうどCOVID-19が猛威を振るい始めた時期で、広告から広報へのコンバート、そして医療機関という未知の世界での挑戦には緊張感がありました。しかし、入職後すぐにCOVID-19による危機管理広報の必要が発生し、激しくも学びの多い日々がスタートしました。4月1日からは、企画広報課を改組したコミュニケーション・デザイン室の管理者として、情報発信を中心とした従来の広報活動に加え、法人内外の交流を通じた相互理解の深耕に取り組んでいます。

ー広告業界から病院広報というユニークなキャリアですよね。入職時にどんなギャップを感じましたか?
広告と広報の違いはもちろんありましたが、ギャップというより、新たな発見が多かったですね。医療従事者の「患者さん第一」という意識の高さが印象的でした。どの職種の職員も患者さんのために働いていて、そこに働きがい、生きがいを感じている人が多く、そのような職員に対するリスペクトや、彼らの役に立ちたいという気持ちが自然に湧いてきます。それに、病院の情報を発信することは大好きな沖縄の住民の方々に貢献することにもつながりますので、多忙な中でも大きなやりがいを感じながら働けています。
ー友愛医療センター様の広報チームの体制について教えてください。
広報チームは私を含め4名のメンバーで構成されています。それぞれが個性豊かな経歴を持ち、新聞社やテレビ局での経験者のほか、自治体の広報課を立ち上げた方もいます。私自身は広報活動全般の監修に加え、メディアリレーションや院外との関係づくりを担当しています。

(ドクターヘリによる患者搬送について取材対応の様子。右端が和田様)
ークラウドファンディングのご相談が始まったのは、2023年12月頃でしたね。その時どんな気持ちでしたか?
正直なところ、最初は不安が大きかったですね。コロナ禍で市民生活が疲弊している状況で、果たして2,000万円以上の支援を集めることができるのか?と。それに、他の業務を抱えながらクラウドファンディングの準備や広報を進めるのは相当大変だろうな、という直感もありました。
そんな中、ERの現場スタッフの熱意が本当に大きな後押しになりました。救急車型ドクターカーを導入して、患者さんや地域医療へ貢献したいという強い思いが、私たち広報にもひしひしと伝わってきましたね。また、COVID-19対応を通じて築いてきた地域やメディアとの信頼関係も、挑戦を支えてくれる要素だと感じました。
ークラウドファンディングの設計で大切にされたポイントを教えてください。
成功の鍵は「あえて高い目標金額を掲げ」「長期戦を見越した体制を整える」ことでした。具体的には、READYFORさんにも相談の上で、2,000万円という高い目標を打ち出して法人の理事会で宣言し、プロジェクト実施終了まで最大日数に近い79日に設定しました。また、特定の個人に負担が集中しないよう役割分担を明確化し、チームで効率的に業務を進めました。
ー日々の業務と並行して進めるのは大変だったと思います。支援募集期間中、どのような工夫や取り組みが行われたのか教えてください。
プロジェクトに関わった職員一人ひとりが、日々の業務と両立しながら、自分の役割を全うしていました。たとえば、救急外来の看護師長は、私たちの思いや支援者の声が患者さんや院内職員に届くよう、勤務の合間に外来の掲示物を1つ1つ丁寧に手作り。また、病院へ直接寄付金をお持ち込みいただいた方には、救急外来と医事会計が連携して対応しました。
救急救命士や看護師などの救急科スタッフも、消防関係者への支援依頼をはじめ、企業訪問やイベントの企画・実施に非常に積極的に動いていました。さらに、医療技術部や地域連携室、総務課、経理課といった様々な部署の職員が、それぞれの専門性やコネクションを活かした役割を担う協力体制を構築。これら多職種のチームワークが、プロジェクトを動かす原動力となりました。

ー広報発信について、どのような戦略で取り組まれたのか教えてください。
広報施策は「記者会見」「イベント」「直接訪問」「院内掲示」「メディア出演」「WEB/SNS」といった多様な要素を組み合わせ、しっかりとしたロードマップを策定しました。ステップを分けて進めることで、支援者へのメッセージを効果的に伝えられるよう心掛けました。
まず、プロジェクト開始初日に記者会見を行い、地元メディアを通じて広く情報を共有したことが大きなポイントになりました。このメディア対応によって、プロジェクトへの信頼感が高まり、その後のSNSやイベント発信による訴求効果にも繋がりました。
また7月の終盤戦では、地域商業施設のご協力のもと自衛隊などとの共催イベントや、マスメディアへの集中的な出演を通じて施策をリマインドし、プロジェクトを成功裡に終えることができました。

ー和田様ご自身はどんな役割だったのでしょうか?
私は広報リーダーとして、広報戦略の全体設計をはじめ、メディア対応、WEBサイトやSNSの運用、問合せ対応、さらには企業や団体への訪問まで、広範囲に渡る業務を担いました。特に、COVID-19対応を通じて培った沖縄のテレビ、新聞、ラジオ局との関係性を最大限に活かし、プロジェクトの意義やその必要性を多方面で発信しました。
ーメディア対応で大切にされたことは何ですか?
特に意識したのは「社会的意義を最優先に伝える」ことです。メディアは報道する価値があると判断して初めて取り上げてくれるので、プロジェクトの核心部分、すなわち「地域の医療施設や各機関と連携し、一体となって医療体制を構築していく」という大きな意義をわかりやすく説明することを重視しました。おかげで多くのメディアや企業にプロジェクトを誠実に捉えていただき、好意的な報道に繋がったと思います。

(テレビ番組での収録後の様子)
ークラウドファンディングがもたらした成果や、気付きがあれば教えてください。
振り返ると、特に心に残ったのは「地域の方々の顔が見える支援を実感できたこと」です。たとえば「私の命を救ってくれた」「家族がお世話になった」とお話しくださる方々の言葉や、プロジェクトページに寄せられる応援メッセージは、私たち職員の大きな励みとなりました。また、それらの声を院内で共有することで「地域のため、患者さんのために頑張りたい」という職員の意識がより一層高まったと感じています。
―2024年11月には、ドクターカーのお披露目会がありましたね!
導入直後から運用訓練や連携先との協定締結等を始めたため、大変申し訳ないことに開催日が当初の予定より遅れてしまったのですが、それにも関わらず、地域の関係団体の代表、支援者の方々など30名のご招待者が足を運んでくださり、ずっと期待を持っていてくださったことに心から感謝しています。
準備中は、天候の不安や、強風でテントが飛ばされないかなど心配なこともありましたが、
当日は「ようやく支援者の皆さんに直接成果をお伝えできた」という喜びと同時に、その場の温かい雰囲気の中で、「これからこのドクターカーを通して期待に応えなくては」という責任感が一層強く心に刻まれる場にもなりました。お披露目会は、新たな決意表明の場になったと感じています。

(お披露目会で司会をされる和田様)
ーお披露目会を終えて、クラウドファンディングを通じて繋がった支援者の方々とは、どのように関わっていかれる予定ですか?
今回のプロジェクトは、これまでつながりの無かった企業・団体様との関係づくりのきっかけとなりました。医療機関は垣根が高い、と思われていた節もありましたが、プロジェクト終了以降は、医療活動やクラウドファンディングに関する講演のご依頼をいただいたり、相互に様々な企画のご相談をしたりするなど、地域との関係の変化を感じています。さらには海外から、修学旅行生の見学受け入れや健診等の受診についてもご相談いただくなど、私たちの活動に対する認知が想像以上に広がっていることを実感しています。
また、ご支援いただいた個人の方々とのご縁も絶やさないようにしたいと思っています。幸いにもコロナ禍が落ち着き、我々も病院を地域に開くことが可能となりつつありますので、住民の方々を対象としたリアルなイベントなどの新たな交流の機会を作り、支援者の皆様にご案内するなどして、さらに絆を強めていけたら嬉しいですね。
これからも、支援者様への感謝の気持ちを胸に、このようなつながりを大切にしながら、地域のために病院としてできることを模索していきたいと思っています。

(納品されたドクターカーと支援者様からの応援メッセージ。右端が和田様)
※本記事は、2024年11月の友愛医療センター様でのお披露目会、2025年1月の和田様へのインタビューを元に作成しております。医療法人川崎病院様|「病院が一つになれる理由をくれた」――現場主導の『みんなの救急車』プロジェクトが生んだ、資金調達以上の価値
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