一般社団法人ワンハート制作委員会様| 「動物福祉を子どもたちへ正しく伝える」啓発カルタ制作に挑んだ4人の担当者の、覚悟と結束のクラウドファンディング舞台裏

一般社団法人ワンハート制作委員会様| 「動物福祉を子どもたちへ正しく伝える」啓発カルタ制作に挑んだ4人の担当者の、覚悟と結束のクラウドファンディング舞台裏

2026/07/23

動物の命を救うだけでなく、人と動物が共生できる社会を目指し、広島県東広島市で啓発活動を続ける「一般社団法人ワンハート制作委員会」様。保護犬・保護猫がいなくなることを目指し、「動物福祉」を正しく楽しく子どもたちに伝えるため、啓発カルタ「ワンニャンしあわせカルタ」の制作を企画し、初めてクラウドファンディングに挑戦されました。結果として、第一目標の500万円を大きく上回る617万円の支援を集め、プロジェクトを成功に導きました。

この記事では、プロジェクトを牽引した代表の古賀様、プロジェクトメンバーの吉岡様、兼田様、BOOSUKA様(以下、敬称略)に、クラウドファンディング挑戦の背景、直面した苦労、成功を掴むためのチーム体制や覚悟、そしてクラウドファンディングを通じて得られた成果についてお話を伺いました。


実施されたクラウドファンディングプロジェクト

楽しく学べる動物福祉啓発カルタを作り、子どもたちに届けたい!

  • 資金の使い道:『動物福祉啓発カルタ』の制作(2,000部)と、制作したカルタの一部を広島県内の児童施設へ寄贈する際の配送費用

  • 支援総額:6,173,000円(目標金額 5,000,000円)

  • 支援人数:490人


目次

「命を救う」から「社会を変える」へ。啓発活動のための資金調達に挑んだ理由

──まずは、団体の活動内容と、今回クラウドファンディングに関わられた皆さまの役割について教えてください。

古賀:一般社団法人ワンハート制作委員会 代表の古賀です。私たちは広島県東広島市を拠点に、保護犬・保護猫がいなくなっていくことを最終目的に、メンバーを固定せず、流動的にできる人が、できる時に、できることを持ち寄って活動しています。

吉岡:吉岡です。普段は薬剤師をしています。保護猫の預かりボランティアなどもしており、団体では主に物販グッズを制作し、イベントで販売して医療費にあてる活動をしてきました。今回のクラウドファンディングではプロジェクトリーダーとして、実務や運営をメインで担当しました。

兼田:グラフィックデザイナーの兼田です。元保護犬を飼い始めたことがきっかけでワンハートさんと繋がり、私ができることとしてデザイン面でのボランティアをしています。今回はプロジェクトの画像やポスター、本文のデザインを全て担当しました。

BOOSUKA:イラストレーターをしていますBOOSUKAです。兼田とは夫婦で、日頃から子ども向けの仕事も多いので、今回のカルタのイラスト制作を担当しました。


左上:古賀、右上:兼田、左下:吉岡、右下:BOOSUKA

左上:古賀、右上:兼田、左下:吉岡、右下:BOOSUKA
(イラスト:BOOSUKA)

──そもそも、数ある啓発ツールのなかで、今回はなぜ「カルタ」を作ろうと思われたのでしょうか?


古賀:私たちが目指しているのは、抜本的な解決です。ただ「この子を救ってください」という活動だけではなく、将来的には私たちが声を上げなくてもいいような社会にしていきたいと考えています。そのため、啓発活動においては「伝えること」を重視しており、日頃からポップで可愛らしく、ギュっと目を引くキャッチーなデザインのチラシ制作を心がけています。


たとえイベントに足を運べなくても、パッとイラストが目に留まるだけで人と動物の共生について考えるきっかけになればという思いからで、そのデザインをいつもBOOSUKAさんと兼田さんにお願いしていました。そんな中、お二人から今回の提案を受けたんです。

BOOSUKAさんと兼田さんが制作されたチラシ(一部)

兼田:ワンハートさんはチラシなど制作物を通した啓発活動をずっとされていますが、デジタル社会の今だからこそ、手元に長く残っていくものとして“アナログなもの”がいいのでは、と考えたんです。カルタなら、子どもたちが何度も何度も繰り返し遊ぶことで、動物福祉の考え方がより深く心に浸透していくのではないかと思いました。


古賀:子どもたちに正しい知識を持ってもらうための「カルタ」という提案は、これまでの私たちの啓発活動の思いとも重なり、まさに「それだ!」と思えるものでした。



──そこから、カルタの制作費をクラウドファンディングで集めることになったのはなぜですか?


吉岡:最初は、BOOSUKAさんと兼田さんが「クラウドファンディングをやってみよう」と提案してくれたのが始まりです。正直、私たちはクラウドファンディングについてよく分かっていませんでした。友人からは「そんな甘いものじゃないよ」と止められたりもしましたね。


そんな時、READYFORさんから「クラウドファンディングしませんか?」とタイミング良くご連絡をいただいたんです。READYFORさんは社会貢献や地域貢献に強く、自分たちの活動で社会や地域を良くしていくような見せ方が上手だと思い、挑戦を決めました。


実施されたプロジェクトページ「楽しく学べる動物福祉啓発カルタを作り、子どもたちに届けたい!」

──なるほど。とはいえ、初めての大きな挑戦に対して、団体内で反対の声などは上がりませんでしたか?


吉岡:反対の声もありました。でも、代表の古賀さんの「やろう」という一言で挑戦を決めました。動物の命を直接救う活動ではない「啓発」のための資金調達に対して、最初はなかなか理解を得られない部分もありましたね。

葛藤を乗り越え、支援の輪を広げたアプローチ方法

──団体内でもさまざまな声があるなかで準備を進められ、いざプロジェクトがスタートしてみていかがでしたか?


吉岡:正直「しんどかった」の一言に尽きますね(笑)。
公開前にしっかりと準備を進めていたこともあり、初日に広島の地方番組でプロジェクトが大きく取り上げられたおかげで、スタートダッシュはすごく良かったんです。ただ、クラウドファンディング特有の「中盤の停滞期」に入るとご支援がなだらかになり、そこからは本当に大変でした。

実は、プロジェクトが始まった途端に、メンバー全員が一斉に体調を崩してしまったんです。それだけ全員が必死に準備を進め、見えないプレッシャーと戦いながら本気でこのプロジェクトにかけていたんですよね。

──強い覚悟で臨まれていたのですね。プレッシャーと戦いながら、期間中は具体的にどのように支援の呼びかけをされていったのでしょうか?


吉岡:READYFORの担当者(キュレーター)の方から、「まずは身近な知人や友人にも、しっかりと伝えていきましょう」と積極的な広報のアドバイスをいただきました。とはいえ最初は、「友達だからこそお金のお願いはやりにくい……」という遠慮があったんです。他のプロジェクトを見ていると、「活動が好きだったら自然とお金が集まるんじゃない?」と簡単に思っていたのですが、いざ自分が呼びかける当事者になると、寄付を募るって本当に勇気がいることなんだと痛感しました。

でも、私たちが遠慮していては目標は達成できません。担当者さんからのアドバイスもあり、腹をくくり、毎週のミーティングで背中を押してもらいながら、一人ひとりに直接メッセージを送るようになりました。

また、直接会って「今こんなことをしているんだよ」と熱意を説明すると反応が全然違うこともわかり、広島でのコンサートに足を運んだり、イベントに参加したりと、あらゆる場に顔を出して直接お願いして回りました。やはり、自分たちの言葉で直接想いを届けるのが一番効率が良かったです。


兼田:中盤はご支援が伸び悩み、本当にへこみました。「もっとプッシュしないといけない、でも遠慮してしまう」という葛藤があって、うまくアピールに繋がらなかったんです。でも、その経験から学んだのは、誠実さが相手に伝わらないと寄付はしていただけないということ。定型文のようなメールでは人の心は動きません。一人ひとりに個別にお声がけして想いを伝えることで、これまでの人間関係や信頼の積み重ねが一気にあらわれるのが、クラウドファンディングなんだと深く感じました。


吉岡:また、戦略面でも工夫をしました。プロジェクト終盤に市役所での大きな啓発イベントを控えていたため、そこに支援のピークを持っていく計画を立てていたんです。ご支援がなだらかになった中盤は、ただ立ち止まるのではなく、ラストスパートに向けた横断幕の準備や、イベント現地で代理支援を受け付けるためのオペレーション作りなど、チームで作戦を練る期間として有効に活用していました。



──想いを直接届けていくなかで、思いがけない反応や、特に印象に残っているエピソードはありましたか?


吉岡:BOOSUKAさんのご縁で、「CIAOちゅ〜る」のCMソングを歌っていらっしゃる歌手の辻香織さんが応援メッセージをくださっていて、寄付までも頂けたのは驚きでした。

また、クラウドファンディングはクレジットカード登録が必要なので、不安に思う方や「ネットではできない」というご年配の方もいらっしゃいました。そういう方々が現金を直接持ってきてくださり、私たちが代理で支援入力をしたことも多くありました。

辻様からご支援をいただいた繋がりで、協力いただいた応援メッセージ

辻様には応援メッセージにも協力いただきました。

成功の鍵は「少数精鋭」と「役割分担」。クラウドファンディングで得られたチームの結束


──そうした地道な活動で支援の輪を広げていくには、チームの連携が欠かせなかったと思います。どのような体制でプロジェクトに臨まれたのでしょうか?


兼田:クラウドファンディングに関する方針や運営は、ここにいる4人だけで進めました。人数がたくさんになると、どうしても様々な意見が出てきてしまい、スピード感を持って進めるのが難しくなったりすることもあります。だからこそ、同じ熱量で迷いなく前向きに取り組めるこの4人で集中して進めたからこそ、成功できたのだと思っています。


吉岡:役割分担もきっちりしていました。文章は代表の古賀さん、ビジュアルやデザインはBOOSUKAさんと兼田さん、そして実務や運営は私。誰かが欠けてもダメだし、誰かがサボってもダメ。少数精鋭だからこそ、お互いの責任感が強まる体制でしたね。


──目標達成に向けて、期間中はどのようにモチベーションを保たれていたのでしょうか?


吉岡:ほぼ毎日、みんなで連絡を取り合って会議をしていました。それぞれが自分の役割を最大限頑張っているのがお互いに見えていたので、「自分もやらなきゃ」と自然と奮い立たされましたね。

ラストスパートは活動報告で、4人それぞれからのメッセージを投稿。

ラストスパートは活動報告を通して、4人それぞれからのメッセージを投稿。


BOOSUKA:一つの目標に向かってみんなで進んでいるので、集まって話すこと自体がすごく楽しかった部分もあります。大変だったという愚痴をこぼし合いながらも、会うだけで楽しくて。クラウドファンディングが終わった時に「もうこの4人で集まる理由がなくなるんだな」と思ったら、寂しくなったくらいです。


兼田:毎週のREADYFORさんとのミーティングも大きな支えでした。あの定期的な場があったからこそペースメーカーになり、「また来週に向けてやらなきゃ!」とお尻を叩いてもらえました。身内のメンバーだけだとどうしても甘えが出てしまうこともありますが、次までにやるべきことが明確になっていたのは本当に良かったです。


──4人の強い結束で走り続けるなかで、目標達成が見えてきた頃、当初は反対していた団体内の雰囲気にも変化はありましたか?


吉岡:変わりましたね。最初は反対したり乗り気でなかったりしたメンバーも、現実味を帯びて成功が見えてくると、「ここまで来たら成功させたい」と協力的になってくれました。


古賀:中には、最初はクラウドファンディングに否定的だったメンバーの奥様が、いつの間にかものすごく熱心に営業活動をしてくださっていて。支援もしてくれていた、なんていう嬉しい驚きもありました。


「やってよかった」と心から思える瞬間。挑戦から得られた成果とこれから挑む方へのメッセージ


──周囲をも巻き込む熱量で走り抜け、無事に目標を達成されました。その後、完成したカルタを実際に子どもたちに届けてみて、いかがでしたか?


古賀:本当にやってよかったと心から思っています。完成したカルタを、東広島市の豊栄町にある放課後教室へ直接届けに行き、子どもたちと一緒にカルタ大会をしました。BOOSUKAさんと兼田さんの愛の結晶が詰まったカルタで、子どもたちがすごく楽しそうに絵札を取って遊んでくれている姿を見て、逆に私たちが励まされました。

活動のきっかけとなった保護犬のエピソードを子どもたちの前で話した時、私が思わず泣きそうになってしまったら、一人の子が「そんな悲しいこと言うから泣いちゃうんだよ」と優しい声をかけてくれたんです。子どもたちに命を慈しむ心が確実に届いていると確信した、とても忘れられない思い出です。


完成したカルタ

完成したカルタ

──子どもたちの素直な反応から、皆さまの思いがしっかりと届いていることが伝わってきますね。資金調達という本来の目的以外に、今回の挑戦を通じて得られたものはありましたか?


古賀:私たちの活動や「動物福祉」という考え方を、社会に広く知ってもらえたことが一番大きいです。この発信力はREADYFORさんならではの強みだと感じており、本当にグッドチョイスでした。


吉岡:メディアで取り上げられたりさまざまなイベントに出向いて直接お話ししたりしたことで、「クラウドファンディングって怪しいものではないんだな」という理解が周囲に広まったことも大きな成果でした。


──社会への認知拡大という面でも、大きな意義があったのですね。
最後に、今回の過酷ながらも実りある経験を踏まえて、これからクラウドファンディングに挑戦しようかと迷っている団体様に対してメッセージをいただけますか?


兼田:「やりたいけど、どうしようかな」と迷っている段階であれば、まずは「自分たちはなぜこれをやりたいのか」を徹底的に話し合ってみることをおすすめします。クラウドファンディングは決して簡単なことではないので、迷いを抱えたまま始めると途中で苦しくなってしまいます。

でも、そうやって向き合うなかで、自分たちの中に「絶対にこれをやりたい!」と強く思う自信や覚悟が固まったなら、それが最大の原動力になります。寄付をいただくには誠実さが何より大切です。ただやればお金が集まるわけではなく、一人ひとりに思いを届ける努力が必要不可欠だと実感しています。


吉岡:自分たちの実現したい夢を、たくさんの方からのご支援に託して形にしていくのがクラウドファンディングです。ですから、周囲の方々に想いを伝えてご支援をお願いすることにどうしても抵抗があるうちは、挑戦が少し苦しくなってしまうかもしれません。


ですが、「どうしてもこれをやり遂げたい!」と決心したなら、ためらわずに、絶対に成功させるという強い覚悟を持って挑んでみてください。


準備や運営で大変なことも多いですが、それ以上に、支援者の皆さまの温かさに触れた感動や、プロジェクトが形になった時の喜びは計り知れないものがあります。自分たちも誰かに支援していただき、また自分たちも誰かを応援する。そうした「持ちつ持たれつ」の温かい繋がりで社会を良くしていくのが、クラウドファンディングの素晴らしいところです。ぜひ勇気を持って、その一歩を踏み出してほしいと思います。


──本日はありがとうございました。


クラウドファンディングについて一度話を聞いてみたい方、具体的にアイデアをご相談したい方、ぜひ一度READYFORへお気軽にご相談ください。皆さまの想いに寄り添い、共に未来を切り拓くお手伝いをさせていただきます。


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