NPO法人 青い鳥動物愛護会様|「人間が幸せでないと、犬猫も幸せになれない」青い鳥動物愛護会が大切にする、支援者との絆の紡ぎ方。
2026/02/12

山口県で犬猫の保護活動を続ける「NPO法人 青い鳥動物愛護会」様。年間約600匹もの命を預かりながら、地方での人手不足や資金難は常に深刻な問題でした。 毎月が「自転車操業」という過酷な状況下で、老朽化したシェルターの移転という巨大な壁に立ち向かうために選んだのは目標金額1,800万円という「背水の陣」のクラウドファンディングでした。
過去2回に比べ、大きく設定した今回のクラウドファンディングでは、どのように2,200万円を超えるご支援を集めることができたのか、団体の代表清水様に、命を守るための「覚悟」と、日頃からの活動の工夫をお話いただきました。

(NPO法人 青い鳥動物愛護会 代表の清水様)
NPO法人 青い鳥動物愛護会
山口県を拠点に、犬猫の保護・譲渡活動を行う団体。保護・医療ケア・飼育・譲渡までを一貫して実施し、年間で約600匹の犬猫をお世話している
これまでに挑戦されたクラウドファンディングプロジェクト
殺処分ゼロ継続のためのヘルプ!犬舎を拡充し、水害時も命を守る場を。
挑戦期間:2021年2~4月
資金の使い道:犬舎の2階部分を拡張するために活用
成果(支援金額 / 支援人数):5,653,000円 / 553人
挑戦期間:2021年8~9月
資金の使い道:運営費(保護犬・猫の治療費、フード代、消耗品費、搬送費、人件費の一部、光熱費など)に活用
成果(支援金額 / 支援人数):4,706,000円 / 493人
年間600匹の命を守るシェルターの存続の危機|青い鳥覚悟の挑戦
挑戦期間:2025年1~3月
資金の使い道:新しい猫シェルターの土地・物件の購入に活用
成果(支援金額 / 支援人数):22,043,000円 / 1,330人
目次
——まずは「青い鳥動物愛護会」について教えてください。
清水: 私たちは山口県で、犬や猫の保護と譲渡を中心に活動している団体です。山口県は高齢化と人口減少が進んでいて、資金も人手も集まりづらい地域です。でも、そういう場所に限って、野良犬や猫がとても多いんです。
捕獲して、健康状態を整えて、譲渡して……という活動を繰り返していますが、それでも保護が必要な子たちは後を絶ちません。
──年間ではどのくらいの動物と関わっていらっしゃるのでしょうか?
清水: 毎年およそ600匹の犬猫を保護・お世話しています。地方では寄付も集まりにくく、常に綱渡りのような運営です。毎月が自転車操業のような状態ですが、それでも命をつなぎたい一心で活動を続けています。
──これまでREADYFORでは3度クラウドファンディングに挑戦されていらっしゃいますよね。そもそも最初にクラウドファンディングに取り組もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
清水: 最初はボランティアの方たちから「やってみたら?」と勧めてもらったのがきっかけです。当時は他に資金調達の手段もなくて、「これしかないのかもしれない」と思いました。
田舎にある知名度もない団体の活動に本当に支援をしてもらえるのか、自分たちにできるのか正直不安だったのですが、思い切って始めてみたんです。
READYFORでの挑戦の前は他社のプラットフォームでもクラウドファンディングをやっていました。そこから3回、READYFORで挑戦を続けています。日頃から私たちの活動を応援してくださる方はもちろん、プロジェクトを通して初めて私たちの活動を知り、支援をしてくださる方も増えてきて、本当にありがたいです。

(2025年に挑戦したクラウドファンディング)
──2025年3月に終了したプロジェクト(3回目の挑戦)は、これまでと異なり、1,800万円という大きな目標を掲げられました。不安はありませんでしたか?
清水:これまでの挑戦も毎回「背水の陣」でしたが、今回はまさに「背水の陣の中の背水の陣」でした。もし失敗すれば、600匹の犬猫の行き場がなくなるだけでなく、団体全体の活動も止まってしまう可能性がある。
私たちは年間600匹をお世話しているので、もし団体が潰れてしまったら、今後救えたはずの命が一気に失われてしまう。そう考えると、絶対に失敗できないという思いで、一番「覚悟」を決めた挑戦でした。
担当キュレーターの方にもこまめに会議やコミュニケーションの機会を設定いただき、期間中はかなり寄り添っていただきました。「やるしかない、なんとか達成させるしかない」という気持ちでみんなで走り抜けましたね。
──その後、「猫シェルターの移転」については無事に進んでいますか?
清水: はい、少しずつですが確実に進んでいます。ただ、地域の状況は変わらず厳しく、相変わらず人手も資金も足りません。新しい施設の整備や医療費の捻出など、やらなければならないことが山積みですが、支援者の皆様のおかげでなんとか進められているという状況です。
──挑戦中、印象に残っている広報活動はありますか?
清水: 担当キュレーターの方から提案いただき、「メッセージリレー」という取り組みをやってみたのですが、これが私たちの団体にはすごく良くて...。
「メッセージリレー」は、スタッフやボランティアさんを含め団体に関わるメンバー一人ひとりが、自分の言葉で活動への想いを文章にして、クラウドファンディングの活動報告でリレー形式で掲載していくというものです。
「今日は誰の投稿かな?」と団体内でもみんなが毎日楽しみに見てくれて、それが支えになっていました。合計で26のメッセージリレーを投稿し、全国からの応援を「自分ごと」として受け止めるきっかけになって、みんなの士気もぐっと上がったのが、本当にやって良かったと思いました。

https://readyfor.jp/projects/aoitori-aigo-3/announcements/364110

https://readyfor.jp/projects/aoitori-aigo-3/announcements/365284
──これまでの3回のプロジェクトは全て目標金額に到達されていますし、3回目の挑戦は、2,200万円を超えるご支援を1,300人以上の方から集められました。これは決して簡単なことではないと思うのですが、クラウドファンディング期間中以外でも、日頃から意識されていたことや工夫などはありますか?
清水:とにかく、日々の活動の様子をSNSでこまめに発信していることでしょうか。できるかぎり現状を分かりやすく伝えることです。「今、現場で何が起きているのか」「支援がどのように使われているのか」を毎日発信し続けることで、寄付者や支援者の方に私たちの活動を身近に感じてもらえるようにしています。
また、「人間が幸せでないと、犬猫も幸せになれない」という信念をもとに、譲渡の際のコミュニケーションでは、犬や猫のことだけでなく、里親となる「人」と真剣に向き合うことを大切にしています。
長ければ1時間半ほどかけ、一人ひとりに真心で全力のレクチャーを行います。
しつけやケアについても、単に「あれはダメ、これはダメ」と制限するのではなく、ちょっとした工夫で飼い主さんが楽に、そして犬猫と相思相愛で暮らせるためのコツを伝えています。
「新しい家族を迎えて本当によかった」と心から思えるようなサポートを丁寧に行うことが、結果としてSNSを熱心に見てくださったり、ありがたいことに、いざという時に手を差し伸べてくださるというところにつながっているのかな、と感じます。
Instagram / X / Facebook / ブログ
──今後挑戦していきたいこと、展望があれば教えてください。
今、私が切実に感じているのは、人間と同じように犬や猫たちの高齢化も進んでいるということです。里親さんに繋いだ後も、飼い主さんのご高齢化などで、どうしても最期まで一緒にいられなくなるケースが出てくることは容易に想像がつきます 。そうした子たちが最後に行き着く場所として、老犬・老猫を専門にお世話できるような「老犬ホーム・老猫ホーム」を、いつかこの手で作りたいと考えています。
もちろん、世の中には高額な老犬ホームもありますが、私たちの活動拠点である山口県のような地方では、都会と同じようにお金を出せる方ばかりではありません。ですから、特定の所得層の方だけでなく、誰もが利用できるような、そんな温かいホームを目指したいのです。
今はまだ「夢」の段階ではありますが、いつかまたその夢が形になる時には、ぜひまたクラウドファンディングを通して実現できたらと考えています。どのような境遇の犬猫も受け入れ、安心して最期を迎えられる場所を作ることが私たちの次の目標です。

──クラウドファンディングが成功して、良かったと感じたことはありますか?
清水:まず、猫たちが本当に元気になったことですね。以前の施設は古くて、壁が崩れたりして、猫のお世話以外の作業も多かったんです。でも今は、安心して猫たちを見守れる環境が整いました。
それによって人間のストレスも減って、猫も幸せ、人も幸せ。全国の方からのご支援のおかげで、すべてが良い方向に変わったと感じています。
──これからクラウドファンディングに挑戦しようとしている方に、メッセージをお願いします。
清水:始める前は、ものすごく不安だと思います。でも、うちの団体もクラウドファンディングがなければ、今の活動は続けられていませんでした。
だからこそ、まずは「失敗してもいいからやってみよう」という気持ちを持ってほしいです。最初は言葉にするのも難しいけれど、周りの人の協力で文章も写真も整っていきます。
大切な活動なら、まずは一歩を踏み出してみてください。それが、私からのメッセージです。

(2回目のプロジェクトの際に、和字シェルターにご支援者のお名前を掲載した時の様子)
まとめ
青い鳥動物愛護会様にとって、クラウドファンディングは単なる資金調達の手段ではなく、活動を継続するための「生命線」でした。
今回の挑戦を経て、猫たちは健やかに過ごせる環境を手に入れ、お世話をするスタッフの心にもゆとりが生まれました。「猫も幸せ、人も幸せ」という好循環は、全国から届いた温かい支援があってこそ実現したものです。「失敗してもいいから、まずは一歩を踏み出してほしい」という清水さんの言葉には、数々の困難を乗り越えてきたからこその重みがあります。大切な命を守り抜くための「覚悟」が、言葉となり、共感を生み、大きな力に変わる。 同会の歩みは、社会課題に立ち向かう多くの挑戦者にとって、勇気を与える希望の光となるはずです。
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