NPO法人猫の森様| やり切る気持ちと挑戦で育まれた関わる人たちの輪
2025/02/10

約170名のボランティアさんがいらっしゃる猫の森様に、クラウドファンディングのお話しだけでなく、継続的にボランティアさんと良い関係を築きながら団体運営をされている秘訣などをお話いただきました。
実施されたクラウドファンディングプロジェクト
目次
ーまずは自己紹介と団体のご紹介をお願いいたします。
NPO法人 猫の森 代表理事の北村 由紀子と申します。
私たち猫の森は、千葉県船橋市を拠点として活動をしております。これまでシェルターのような大きな施設は持たずに活動してきましたが、2019年に大きな多頭飼育崩壊現場の存在が発覚。100匹の猫を緊急レスキューしなければならなくなり、初めて保護猫施設を立ち上げました。それが、現在、猫の森ハウスと呼ばれている施設の始まりです。
ー緊急レスキューが施設始まりのきっかけになったのですね。
そうなんです。その後、たくさんのボランティアさんが集まってきてくれて、活動を継続してきました。現在は、施設に来てボランティアしてくださる方、預かりや搬送を担ってくださる方など、色々な形でかかわってくださるボランティアさんが約170名ほど所属されています。

譲渡をきっかけに、何年にもわたりボランティアとして活動もしてくれているサンシャイン池崎さんと代表
ー今回の「シン・猫の森プロジェクト」は、土地購入、既存の建物の解体、新しい建物の建設費用を集めるというものでしたよね。第一目標が2700万円という大きな金額に対し、約2倍となる5300万円近くを集められたわけですが、挑戦された経緯を伺えますか。
いまの活動拠点は、ビル自体の築年数も古くオーナーさんもご高齢で、ゆくゆくは引っ越さないといけなくなるかもしれないなと思っていました。これまでにも数回移転しているので、この先は半永久的に腰を据えて活動のできる拠点が欲しいと思っていた折、ビルのオーナーが急逝されて。これはもう新しい拠点を探さなくてはいけない流れだなと思ったんです。
ー腰を据えて活動を継続できる場所を探されていたタイミングだった、と。
はい。シニア猫や緊急受入れの猫たちのためにも、新しい保護猫施設を作りたいな、と。ただ、保護活動には医療費などたくさんの費用が掛かるので、移転に向けて貯蓄をするということもなかなか難しく、資金面の余裕はない状態でした。そうなると、一気に資金を集める方法は何かと考えクラウドファンディングへの挑戦を決意しました。
ーかなり大きな金額での挑戦でしたが、相当な覚悟で臨まれたのですか?
実は過去に2回ほどクラウドファンディングに挑戦した経験はあったのですが、今回よりもだいぶ額は小さかったので。今回は本当にしっかりとしたプロジェクトを立ち上げなければ、と思っていました。
ー不安もありましたか?
ものすごく大きな数字だったので、正直なところ不安だらけでした。でも、公開開始前に、キュレーターさんたちと意見交換をさせて頂いて、様々なアドバイスとサポートを得ることができたので、そのことが心の支えになってここまで来ることができたと思っています。
ーありがとうございます。挑戦してみて良かったことや変化したことはありますか?
実際に支援くださった方からのお声も嬉しかったのですが、プロジェクトを成功させたことで、団体の信頼度というか社会的な評価を得られたという側面もあったと感じています。融資をスムーズに受けることができたり、他業種の企業の方からいろいろなお声がけを頂く機会が増えたりしたことで、また次の新しいプロジェクトに向け動き出すこともできました。
ー対外的にもいい影響があったのですね。団体内でも何か影響や変化はありましたか?
過去にも何度か移転を経験してきましたが、今回は半永久的に活動が継続できる拠点に移るという前向きな移転だったので、不安はありつつもそれを上回る期待もあって士気は高かったと思います。頑張って盛り上げていこう、という雰囲気がすごくあって。チャレンジに向けて団体内のみなさんからいろいろな意見も上がってきて、応援してくれているなという感じがすごくありました。

猫の森ハウスで暮らす猫たち
ークラウドファンディングへの挑戦も、新しい施設の建設・移動も団体にとっては大きな変化になると思いますが、大きな変化が組織に与える影響など感じることはありましたか。
これまでも変化のタイミングは少なからずありましたが、今回は新しい拠点を1から作るという大きな変化です。喜ばしい変化なのですが、これまで続いてきたものから新しいものに変化する時というのは、少なからず不安を伴います。みなさんの不安にも、自分自身の中にある不安にも一つひとつ対応していくしかないかなと思っていました。
ー不安を解決するために具体的に行動したことがあれば教えてください。
期待や不安、関わる人それぞれのいろいろな思いが交錯する中で、多様な意見に耳を傾けつつ、代表としては向かう方向や想いをぶれずに伝えていくことが大事だと思っています。
活動の1番の目的は猫たちのために良い環境を整えていくこと、そこはぶれない。具体的な行動としては、例えば、新しい施設に行ってからいきなり人を増やすのではなく、いまから常駐スタッフを増やすなど、並行して少しずつ組織改編も進めています。
ー変化の時というのは大変なこともたくさんありますよね。
そうですね。現状維持でもいいのでは、という人も少なからずいて。そういう想いのある人たちにどう理解してもらうかということにも力を注ぐ必要があると感じています。
多様な人が集まるところには多様な意見や感情があるので、そこをまとめていくのが1番難しいですね。でも、こうしていくつもりだという未来予想図や、時には自分の中にある「不安だ」という気持ちも正直に伝えていくことで関係がまた豊かになったように感じます。
ー猫の森には多数のボランティアさんがいらっしゃいますが、関係づくりで何か意識されていることはありますか。
「猫のために何かしたい」という気持ちで集まってくださっているのは共通する部分なので、そこは大事にしたいと思っています。何か一つでも、ここで活動に関わってよかったと思えるような場面に出会ってほしいとも思っています。時間のある時はできる限り施設に来て、ボランティアさんたちとの時間を持つようにしています。猫たちのことはもちろん、世間話も気軽にできるような関係でいたいですね。
ークラウドファンディングを始めて、ボランティアさんとの関わりの変化はありましたか。
今回、インスタライブなど初めての取り組みをしたのですが、私はやり方がよくわからなかったのでボランティアさんに協力を募ってみたんです。そうしたらぱっと手を挙げてくれた人たちがいて、操作や進行の仕方を教えてくれて。ライブの直前に現場に集まって打ち合わせしたりと、側にいて協力してくれる人たちの存在が本当に心強く感じました。支えてくれる人たちがいるという実感があってとても嬉しかったですね。

猫たちはたくさんの人たちの温もりで育まれる
ークラウドファンディングが終わった後に、さらに感じた変化などもありますか?
無事に目標を達成して、本当に新しい施設ができるという実感がでたのか、ボランティアさんたちの方から「いつ頃できるんですか?」とか「次のところに行ったらこういうことをしたい」とか、未来に向けた声がたくさん出てきたんです。終わりのない、この先の未来が私の前に広がったような気がして。また、ここからもいろいろな人とともにやっていくことができるという希望が見えた気がしました。
ークラウドファンディングに挑戦したいと思っている方たちへメッセージをお願いします。
今回、目標達成できるかどうか不安も大きかったのですが、途中で、「もう絶対にやり切るんだ」という風に気持ちを切り替えないと、達成に向けて何をすべきか見えてこないと分かりました。そう気づいて気持ちを切り替えてからは、色々なアイディアが浮かんできて。それをスタッフに共有することで、また新しいアイディアがどんどん出てきたんです。
ーマインドセットが重要だったんですね。
そう思います。みなさんもスタート時はとても不安だと思いますが、「絶対にやり切るぞ」という気持ちで駆け抜けた方がモチベーションも上がると思うし、夢を実現しようと、いいイメージがいっぱい浮かんでくると思うので、そこに向かってぜひ頑張ってほしいです。
※本記事は2025年1月にREADYFORが主催した「いきもの・動物愛護に特化!クラウドファンディング連続セミナー 第2回 〜保護活動の継続と発展を実現するボランティアさんとの関係構築法〜」の内容を元にしております。Lien〜りあん〜様|誰にも「助けて」と言えなかった。保護犬猫施設りあんが2度のクラウドファンディングで約1,700万円を集めるまで
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