認定NPO法人もりねこ様|想いを大切に活動を継続していくために 

認定NPO法人もりねこ様|想いを大切に活動を継続していくために 

2025/01/27

保護ねこカフェやスペイクリニックなど複数事業を10数年にわたり展開されてきたもりねこ様。団体の立ち上げから時系列に沿って、これまでの活動やクラウドファンディング実施の経緯をお話しいただきました。

これまで実施されたクラウドファンディングプロジェクト



目次

まっさらの状態から始まった活動が多くの人の「応援」という翼を得て花開いた

――まずは団体の活動と自己紹介をお願いいたします。

「認定NPO法人もりねこ」という団体で理事長をしております、工藤幸枝と申します。

もりねこは「ねこもひとも、しあわせ」を、コンセプトに岩手県盛岡市で活動をしている団体です。もともとねこが大好きで、ねこのために何かをやりたいという思いがあって、盛岡への移住をきっかけに2014年に保護ねこカフェを開業し、今に至ります。

FIV(猫エイズ)キャリアのねこたちやハンディのある子を保護するのためのシェルター「もりねこプラス」

FIV(猫エイズ)キャリアのねこたちやハンディのある子を保護するのためのシェルター「もりねこプラス」(プロジェクトページ https://readyfor.jp/projects/morineko-restart より)

――まずは、団体の立ち上げの経緯をお聞かせください。

盛岡に引っ越してきた当初は知り合いも全くおらず、本当にまっさらな状態から「もりねこ」をはじめました。ブログを書くところから始めて、そのブログを通じて、少しずつ仲間になってくださる方が増えてお店をつくることになりました。盛岡市には動物愛護センターがないということを知り署名を集めたり、ねこの保護活動とカフェでの譲渡活動を行うなど徐々に活動の範囲を広げて、2016年にNPO法人として正式に法人化しました。

――法人化された年に1回目のクラウドファンディングに挑戦頂いたのですよね。プロジェクト実施の背景をうかがえますか。

はい。法人化と同じ年に初めてクラウドファンディングに挑戦しました。当時、「もりねこ」のカフェは、1フロアしかなかったのですがウィルスや感染症対策のために、もう一つ部屋が欲しいと思っており、その資金を応援頂くことが目的でした。

――挑戦するにあたって、不安なことなどはありませんでしたか?

本当に集められるのかなということが1番不安でした。でも蓋を開けてみたら、かなり早い段階で目標達成をして、最終的には200%の達成率で終えることができたので、ありがたい想いでいっぱいでした。

――この時の資金で、2017年に5階のタイコウクロノーブキャットシェルターを開設されたとのことですが、この間事業はどのように広がっていったのでしょうか。

5階にシェルターができたことで、それまで殺処分対象になっていたねこエイズのキャリアのねこを引き受けられるようになり、盛岡市の保健所とも、より綿密な協力ができるようになりました。さらに殺処分を減らすため、保健所と協議を重ね、「もりおかニャンとも幸せプロジェクト」を始めました。一般のボランティアさんに、ご自宅で保健所のねこを預かってもらい、保健所のねこの殺処分を減らす取り組みです。

――シェルターの開設が殺処分を減らすことにつながったのですね。

はい。ただ、高齢のねこ、病気があるねこはなかなか譲渡先が見つからないため、譲渡しにくいねこたちが「もりねこ」に集まるようになりました。

スタッフの負担も増え、ねこたちのQOLも守り切れないという問題に行き当たりました。そこから、病気や高齢のねこたちに、ゆっくり愛情をかけて見守ることのできる場所も欲しい、という流れになりました。

――それが2回目のクラウドファンディングにつながるのですね。2回目の挑戦はいかがでしたか?

2回目の挑戦で得た資金で、老病ねこの特別ケアホーム、「しっぽのおうち」を開設しました。多頭レスキューを行うと、ねこエイズのねことの遭遇率も上がります。多頭レスキューにより、ねこエイズのキャリアのねこの数が急増し、また5階のシェルターがいっぱいになって、新しい場所の必要性がぐっと上がっていた時でした。

2回目はサポートなしのプランでの挑戦だったので、サポート頂いたほかの回より大変でした。初めての方にはぜひ、キュレーターの方など専門チームが、戦略設計・伴走支援などをしてくれるコンサルティングプラン*1をお勧めしたいです!

譲渡が難しい高齢のねこ・持病のあるねこたちの特別ケアホーム「しっぽのおうち」

譲渡が難しい高齢のねこ・持病のあるねこたちの特別ケアホーム「しっぽのおうち」(プロジェクトページ https://readyfor.jp/projects/morineko-restart より)

念願だった獣医師もスタッフに迎えての新しい挑戦

――ありがとうございます。3回目は、診療所の設立を目指しての挑戦でしたよね。目標金額も1回目の150万、2回目の450万からぐっと上がり1200万となって、ステージアップした感じですが、3回目の挑戦の経緯などお話しいただけますか。

「しっぽのおうち」がきっかけで、新スタッフに、団体多仕上げ時からの念願だった獣医師が加わりました。多頭レスキューに関わる上で、去勢手術はとても大切です。不妊去勢手術を専門に行うスペイクリニックがあれば、不幸なねこを減らすことができるし、レスキューをもっと安全にスピーディに行うことができる。実現の1番の壁が資金面だったので、またご相談させて頂きました。1200万円というこれまでにない金額で不安も大きかったのですが、物件の購入とリフォームを含めて、この金額で挑戦しました。

多頭飼育崩壊などより多くの問題に対応するためのレスキューシェルター&スペイクリニック「もりねこ診療所」

多頭飼育崩壊などより多くの問題に対応するためのレスキューシェルター&スペイクリニック「もりねこ診療所」(プロジェクトページhttps://readyfor.jp/projects/morineko-restart より)

――3回目に関して、特に工夫をしたり頑張ったりしたというところはありますか?

3回目は特に金額が大きかったので、他団体さんとの連携や情報発信に力を入れました。いままで沢山応援して下さった方にもう1度お願いをさせて頂いたり、お世話になっている団体さんや、他にチャレンジをされている団体さんと連携して応援し合ったり。

スタッフみんなで活動報告のページの記事を、スケジュールを組んで、持ち回りでこの日は誰がこういう内容で書くと決めて定期的に発信をしました。

前向きなチャレンジもリスタートも応援してくれる人がいることのありがたさを感じて

――さらに翌年、4回目の挑戦をされるわけですが、その間どのような経緯があったのでしょうか。

診療所も立ち上がり活動が広がった分、人件費など支出も増えてしまいました。コロナや物価高、光熱費の上昇、テナントの賃上げも重なり、このままだと、もってあと数か月という状況となり、スタッフとも話し合ったうえで5階のシェルターを閉じ活動を縮小する決断をしました。4回目の挑戦は新たな1歩のための調整を応援頂いたという感じです。

――4回目も目標金額500万円に対して、2倍越えとなる10,872,000円集められましたよね。4回目となると、挑戦自体は慣れた部分もあったかと思いますが、実際いかがでしたか。

これまでは前向きな新たなチャレンジでしたが、4回目は活動縮小のための応援をお願いする形だったので、ご理解いただけるかとても不安でした。でも、ねこたちが快適に過ごすことができる環境を守るために、細くでも長く活動を続けたいという想いが届いて、皆様からまたたくさんの応援を頂くことができました。目標達成できた時には有難い思いで満たされました。

資金面での支援と応援メッセージ、その両輪が大きな力になった

――支援くださった方から届く応援メッセージには、どんな思いを持ちましたか。

応援メッセージの一言ひとことがありがたかったですね。特に4回目の時は大きな不安を抱えていた中だったので、あたたかなコメントが力になり、メールで「支援が入りました」と届く度に、感謝の思いで涙ながらに見ていました。普段お店に来てくださる方、里親さんなど顔が思い浮かぶ方もいて、その方たちの応援はもちろんとても有難かったのですが、これまで「もりねこ」と接点がなかったけれど、活動報告を読んで応援下ったという方々からのコメントもとても励みになりました。

大切なのは最初の一歩を踏み出すこと。クラウドファンディングは「新しい出会い」を運ぶ

――いろいろなことを乗り越えながら、これまで多角的に活動を継続されてこられた秘訣などあればお伺いしたいのですが。

やっぱりスタッフ一人一人が使命感を持ってやっているということだと思います。「ねこもひとも、しあわせに」と言う思いを真ん中に、チームワークよく動いて来たということかな、と。あとは、必要に迫られてというのも、大きなファクターだと思います。活動をしていくと、次の課題が見えてくる。

始めた時もそうでしたが、まず1歩を踏み出すと次はこうしようということが自然に目の前にやってくる。クラウドファンディングでの出会いをきっかけに応援してくれる人がいたり、その時々のタイミングでいいご縁があって。そういうものがすべてうまくかみ合った時に、ものごとは進んでいくと実感しています。

――最後に、クラウドファンディングに挑戦したいと思っている方たちへメッセージをお願いいたします。

自分たちの想いを大事にして、その上で実現していくためには、最初の1歩を踏み出すことが大切だと思います。まずは、小さくてもいいので、やってみる。活動計画を立てて自分たちで道をつくること、日ごろの活動が一番大事だと思います。

その上で、不足している部分をクラウドファンディングなどのプラットフォームでサポートして頂くという方法がある。READYFORさんはユーザーさんが多いので、たくさんの新しい支援者の方と出会うことができて、広報としてもとても大きな力になりました。そういう部分の力が必要なタイミングの方は挑戦してみるのもよいのではないかと思います。

*1 READYFORのコンサルティングプランでは、いきもの部門の専任担当者(キュレーター)が、目標金額の達成に向けてページやリターンの設計、発信の仕方など資金調達のための伴走サポートをいたします。コンサルティングプランの詳細は以下サイトをご参照ください。https://cf.readyfor.jp/proposals?topbutton=#plan

※本記事は2024年12月にREADYFORが主催した「いきもの・動物愛護に特化!クラウドファンディング連続セミナー 第1回 〜保護猫活動における多角化事業成功の秘訣〜」のセミナー内容を元にしております。

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