外平動物総合事務所(SALU) 様|人を巻き込み、“みんなで夢を叶える”クラウドファンディング

外平動物総合事務所(SALU) 様|人を巻き込み、“みんなで夢を叶える”クラウドファンディング

2025/03/17

里山で人と動物、そして自然との共生をはかれる場所として動物診療所を作りたいという夢を叶えるために、クラウドファンディングを活用し一歩を踏み出された外平様に熱い思いを語っていただきました。

実施されたクラウドファンディングプロジェクト



目次

 

いろいろな人を巻き込んで夢を叶えるにはクラウドファンディングしかないと思った

ーはじめに自己紹介をお願いいたします。

獣医師で獣医学博士の外平友佳理と申します。動物園に長く勤務していたので学芸員の資格も持っています。20年以上動物園に勤務したのち、独立して外平動物総合事務所(SALU)を設立しました。フリーランスの獣医師としていろいろな動物施設での診療をするようになって6年目になります。

動物園をやめたのは、一つの施設にとらわれずに、もっと多くの人や動物と関わっていけたらという想いからです。外平動物総合事務所(SALU)の屋号の英語名はSotohira Animal and human Life support Unitで、人も含めて何か動物たちのためにできたらという想いを込めて活動しています。

ーありがとうございます。外平様は長年の夢だった、人に飼われているあらゆる動物を治療できる診療所を作るためのプロジェクトを起こし、第一目標300万円に対して約2か月で860万円という大きなご資金を集められました。まず、なぜこの診療所を開設されようと思われたのか、お話しいただけますか?

フリーになってからは、往診スタイルメインの診療を行ってきたので、行った先の環境を見ながら治療をするということを大切にしてきました。ただ、そうなると器具や機材を持ち込むことができないので、いざ手術が必要となった時に、その場で対応することができない。

そういう経験が重なるうちに、やはり診療所という場も必要だなと思うようになっていきました。

ー何か大きなきっかけになるような出来事があったのですか?

想いが決定的になったのは、腸管結石のポニーに出会ったことです。腸に大きな石ができて亡くなってしまったのですが、実はそのポニーは手術さえできれば治る症例だったんです。100キロぐらいのポニーなら、手術できる場所さえあれば救えたのに…と歯がゆい思いをしました。

 そういう救えなかったいのちのことを想い、どんな状況でもあきらめない、どんな動物でも治療することのできる場を作りたいと思い、プロジェクトに挑戦しました。

ーご自身の夢の場所を開くにあたり、クラウドファンディングに挑戦してみようと思われたのはなぜですか?

最初は信用金庫から借り入れをしようかと思っていたのですが、コロナ禍があって、動物園や水族館などの施設もクラウドファンディングをしているのを見たんです。

こんな風にいろいろな人を巻き込んで、資金も頂きながらみんなでやるというのはいいな、と思ったことが大きいですね。あとは、動物病院では、犬猫以外の動物をあまり見てもらえないことが多いので、「飼育しているあらゆる動物を診る」という診療所があることを知ってもらえるきっかけにもなるかな、と思いました。

犬猫以外の診療も受け入れる

犬猫以外の診療も受け入れる

押しつぶされそうな大きな不安と、その不安を上回るたくさんの支援と感動

ー実際にクラウドファンディングを実施してみて不安などはありましたか?

誰かに手伝ってもらってとかではなく、私一人でやっているプロジェクトなので、最初はもう不安しかなかったですね。いろいろな人から「大変だよ」と聞いてもいて。

本当に不安で最初の1か月は眠れなかったりもしたのですが、実際ふたを開けてみたら、こんなに多くの見ず知らずの方からご支援が頂けるのか、という驚きがありました。

ー最初は大きな不安を抱えていらしたのですね。

はい。でも、コンサルティングプラン※1だったので、担当キュレーターさんに「大丈夫ですよ」と声をかけてもらえて、安心できました。友人たちも「絶対大丈夫。みんなで支援するから」と言ってくれて。はじめはダメだったら申し訳ないという気持ちと、ダメならダメで仕方がないという想いが交錯していたのですが、3日目ぐらいで目標金額の半分までご支援が集まり、本当に友人はじめ、皆様のおかげだな、ありがたいなと思いました。

ークラウドファンディングはネットで広く募ることができるというのが大きなメリットですが、多くの方からのご支援を集めるには、まず身近な周囲の方々からの信頼やご支援がベースになります。その信頼関係をはじめから築いていらしたのは大きな強みだなと感じました。実際取り組まれてどんな気づきがありましたか。

まずは身近なところから支援を募っていくとか、どういう風に広報をするのか、どこにお金をかけるのかとか、そういうノウハウを本当に細かく丁寧に教えて頂けてありがたかったです。

それらを実際に実行していく中で、「そうか私にはこんなつてがあるんだ」とか、「マスメディアというのはこういう風に活用するのか」、など今後のマーケティングにつながる大切なことを学びました。

ーセカンドゴールは1000万円を掲げられましたが、手ごたえはいかがでしたか。

最終的な着地は860万円でしたが、プロジェクト終了後に「支援したかったのに間に合わなかった」とか、マスメディアの方からも問い合わせを頂いたりすることがありました。

私がもっと本気でちゃんとやったら1000万円というネクストゴールも達成できていたのでは、ということを後から思いました。そこは本当に、学びというか気づきと反省ですね。

ー発信をたくさんするのも申し訳ないから控えめにしてしまうという方も実は少なくないのですが、そのあたりはいかがでしたか?

毎日活動報告を上げるのが大切ということや、こういう時間帯がよく見てもらえるからとか教えて頂いて、とても勉強になったし、取り組むのも楽しかったのですが、一人でやっているとどうしても遠慮してしまうところがありました。

担当者が何人かいるような団体だったら、いろいろ相談し合ったり、客観視しながらできたかなと思うのですが、1人ではなかなか難しくて。そこを、キュレーターさんから客観的なアドバイスをもらえたのはありがたかったです。

ー学びと反省がいろいろあったのですね。

ほんとにもう、色々な学びと反省が。もっと貪欲に、素直に1000万円達成を目指せばよかったし、あとから思ったら、達成できなくて支援者の方にも申し訳なかったな、と。

ーとはいえ、最初の目標金額の3倍近い、860万円という金額を集められました。伴走していて、周囲の方の巻き込み方、地域の支援の輪の拡げ方が上手だなと感じたのですが、そのあたりお話を伺えますか。

これは、本当に人間関係に恵まれていました。知人のディレクターさんが、「支援になるなら動画を作るよ」と声をかけてくださって、ドローンまで飛ばしてすごく素敵なプロモーションビデオを作ってくださったり。

もともと、縁もゆかりもない土地なのに、診療所をやるとなったら、地区の区長さんが地域の方たちにチラシを配るなどして応援してくださったり。よく行く飲み屋さんも沢山チラシを貼ってくれて、これまで診察してきた動物の飼い主さんたちも応援してくれたりして、いままで自分がやってきたことの全部が実を結んだような、そんな体験でした。

学びが多く得難い経験の日々。想いがあるのなら、一歩踏み出して挑戦することを勧めたい

ーいま、クラウドファンディングをした時のことを振り返ってみて感じることがあれば教えてください。

本当に学びが多くて、得難い経験でした。こんなに感動することは、人生後にも先にもそうそうないだろうなと思います。北海道から沖縄まで、まったく見ず知らずの方たちが応援してくれてコメントくださって、毎日うれし泣きしていました。

今の診療所は、みんなの夢の詰まった場所なんだと思っています。銀行でお金を借りただけでは、こんな風にはならなかったと思うので、同じように挑戦したい気持ちのある人みんなに、本当にお勧めしたいと思っています。

みんなの夢の詰まった診療所

みんなの夢の詰まった診療所

ーありがとうございます。価値があったと、実行者さんご本人から発信いただけるのは弊社としても本当に嬉しいです。

本当に、やってみたらわかるというか。大変だったけれど、あんな感動は他にはないと思います。実は、クラウドファンディングのサイトからではなくて、現金で払うよとか直接口座に振り込むよと言ってくれた人たちもいたんです。でも、それだとこの輪に入れないから、みんなで一緒に達成したいから、このプロジェクトページから支援してほしいとお願いしたりもしていました。

ークラウドファンディングのプロジェクトページに支援額や支援者数も出ますし、応援コメントも反映されるので、個別のご支援よりも、支援の輪が広がっていきやすい。そこをしっかりご理解いただいた対応が素晴らしいです。

最初の発端はもちろん、お金が必要だということではありますが、でもやるなら、たくさんの人を巻き込んでやっていきたいと思って挑戦を決めたので、そこは大事にしたかったんです。

私はいま小学校から大学までいろいろな場で講義や講演をさせてもらっていて、必ずこのクラウドファンディングの話をしています。一歩踏み出すと、こんなに感動することと出会えるよって。

ー最後に、クラウドファンディングへの挑戦を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

みなさんに自分の夢を知ってもらうということは、とても勇気が出ることで、私もプロジェクトに挑戦してすごくたくさんの勇気をもらいました。準備が大変とかいろいろハードルはあると思いますが、実際に取り組んでみると大変さを越える楽しさがあるので、楽しみながらぜひ、一歩踏み出して挑戦をしてみて欲しいなと思います。

*1 READYFORのコンサルティングプランでは、いきもの部門の専任担当者(キュレーター)が、目標金額の達成に向けてページやリターンの設計、発信の仕方など資金調達のための伴走サポートをいたします。コンサルティングプランの詳細は以下サイトをご参照ください。https://cf.readyfor.jp/proposals?topbutton=#plan

※本記事は2025年3月にREADYFORが主催した「いきもの・動物愛護に特化!クラウドファンディング連続セミナー 第4回 〜夢への一歩を実現!現役獣医師が語るクラウドファンディング〜」の内容を元にしております。

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